マンチェスターの科学産業博物館の地元愛が強かった

マンチェスターは「世界初の工業都市」(the world’s first industrial city)とも呼ばれるほど,産業革命と密接に結び付いた歴史を持つ.もちろん,マンチェスターが産業革命の唯一の発祥地というわけではない.しかし,綿工業を中核として,蒸気動力,工場制度,運河・鉄道,倉庫,商業,労働者階級の都市生活が結合した世界で最初期の本格的な工業都市であり,産業革命が社会全体を変える過程を明確に示している.

ただ,その繁栄は植民地貿易と奴隷制に支えられていた.さらに,環境汚染と健康被害も甚大だった.

マンチェスターを初めて訪問する機会を得て,科学産業博物館(Science and Industry Museum)に行ってきた.

科学産業博物館は旧リヴァプール・ロード駅の敷地にある.ここは1830年に開業そた Liverpool and Manchester Railway のマンチェスター側終着駅で,蒸気機関を用いたこの鉄道は旅客と貨物の両方を都市間で定期的に運ぶ世界初期の本格的な都市間鉄道だ. 

様々なものが展示されていたが,そのうちのいくつかを紹介する.

メモリを搭載した世界初のコンピュータ「Baby」.それまでにもコンピュータは存在したが,メモリがなかった.そのため,プログラムを変えて異なるタスクを実行させるのが難しかった.Babyはメモリを搭載したことにより,プログラムで様々なタスクをこなせるようになった.展示してあるのは,1948年にマンチェスター大学で稼働したBabyのレプリカ.

マンチェスターで製造された蒸気機関.もちろん蒸気機関がマンチェスターで発明されたわけではない.それでも展示内容はマンチェスターは凄い!に尽きる.この科学産業博物館の隅から隅まで,とにかくマンチェスター推しが凄まじい.

こういう場所を普段から訪れる子供たちが,自分の町を誇りに思い,科学技術に興味を持つとしたら,とても素晴らしいことだ.

ちなみに,科学産業博物館もその他の博物館や美術館もほとんど無料だ.

左側:マンチェスターの綿産業を支えた力織機.1900年ごろ.

右側:ホーキンス博士の車椅子.これすらマンチェスターと結び付けるのが凄い.

科学産業博物館には,体験しながら学べるコーナーもある.とても広い.

別の建物には,いくつかの蒸気機関車が陳列されていたが,そのうちのひとつがカットモデルだった.バルブのカットモデルは見たことがあるが,蒸気機関車のカットモデルは初めて見たはずだ.

歴史あるレンガ造りの建物にある科学産業博物館は見応えがあった.無料なのだが,「寄附してね!オススメは5ポンドだよ!」とあちこちに書かれていたので,5ポンドを寄附してきた.

ギフトショップも,マンチェスターの象徴である蜂だらけだ.

© 2026 Manabu KANO.

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