山崎蒸溜所ものづくりツアーに参加してウイスキー研究者と話す

どれだけ抽選に申し込んでも当選しないことで有名な「山崎蒸溜所ものづくりツアープレステージ」(約120分,10000円)と「山崎蒸溜所ものづくりツアー」(約80分,3000円).今回,縁あって,山崎蒸溜所ものづくりツアーに参加してきた.10:20開始のツアーに参加するため,阪急で大山崎駅へ.そこから10分ほど歩いて山崎蒸溜所へ.

巨大なポットスチルがお出迎え.

遂に来た.日本最古のモルトウイスキー蒸溜所,山崎蒸溜所.

受付のあるウイスキー館へ.

ウイスキー館は,1923(大正12)年に建てられた歴史的洋風建築で,重要文化財に指定されている.中に入ると,目の前に階段があり,KOTOBUKIYAと書いてある.株式会社 寿屋の創立は1921年.山崎蒸溜所でウイスキー造りが始まったのが1923年.そして,サントリーウイスキー角瓶が発売されたのが1937年.

ツアー受付は1階にあり,奥は展示室になっている.2階にも展示があり,その一角がツアーの集合場所になる.

モニターの映像を見ながら,寿屋とサントリーのウイスキー造りの歴史,ウイスキーの製法を学んでから,製造設備を見学する.

山崎蒸溜所ではモルトウイスキーを製造している.モルトウイスキーの原料である大麦麦芽(発芽させた大麦)はスコットランドから輸入している.

最初の工程は,大麦麦芽を麦汁にする仕込み(糖化)だ.この工程では,まず,麦芽を粉砕し,仕込み水と呼ばれる温水と混ぜてお粥のような状態にする.巨大な仕込槽の中で,麦芽中の酵素が働き,デンプンを糖分に変える.これをろ過して麦汁をつくる.

次の工程は,仕込みで作った麦汁をアルコール分約7%の発酵液に変える発酵だ.麦汁に酵母を加えると,酵母は麦汁中の糖分を分解し,アルコールと炭酸ガスに変え,ウイスキー特有の香味成分をつくる.酵母の種類や発酵条件によって香りなどに多様な特徴が現れる.約60時間で発酵は終了する.できた発酵液をもろみと呼ぶ.

もろみを単式蒸溜器にいれて二度蒸留し,アルコール濃度を65~70%に高める工程が蒸留だ.ウイスキー製造に使われる単式蒸溜器は銅製で,ポットスチルと呼ばれる.蒸留は通常2回行われ,1回目を初溜,2回目を再溜と呼ぶ.

この生まれたばかりのウイスキーをニューポットと呼ぶ.まだウイスキーではない.

山崎蒸溜所では,様々なタイプのモルト原酒をつくるため,蒸溜釜の形と大きさ,そして蒸溜方法・加熱方式を使い分けているそうだ.

蒸留したニューポットを木製の樽の中で長期間じっくり寝かせる工程が熟成(貯蔵)だ.ウイスキーをつくるためには,少なくとも3年間熟成させる.

ウイスキーの琥珀色,奥深い複雑な味わいは,この樽熟成によって生み出される.材も大きさも異なる様々な樽を用いて熟成されることで,多彩なウイスキー原酒が生まれる.

ちなみに,右下写真の樽はNo. 0001.山崎蒸溜所の最初の樽だ.

以上で製造工程の見学は終わりだ.椎尾神社の横を通って,ウイスキー館に戻る.この椎尾神社の鳥居を模したのがサントリーローヤルのキャップだ.

ウイスキー館に戻って,山崎蒸溜所のウイスキーを試飲する.ものづくりツアーで試飲するのは,シングルモルトウイスキー「山崎」とその構成原酒3種(ホワイトオーク樽,ワイン樽,ミズナラ樽)だ.

山崎NVのグラスはふたつあり,ひとつはハイボール用だ.おつまみも用意してある.

まず,テイスティングの方法を学ぶ.色を見て,香りを嗅いで,仕込み水と同じ水で2倍に希釈する.希釈することで,より繊細に香りを確かめられる.そして,味と余韻を楽しむ.

ホワイトオーク樽で熟成した原酒で,テイスティングの真似事をしてみる.希釈する前と後とでは,香りも味も大きく異なる.というか,水を数滴加えれば変わるのがウイスキーの面白いところだ.

普段からストレートで飲んでいる私にとっては,トゥワイスアップは薄いと感じる.

ホワイトオーク樽に続いて,原酒についての説明を聞きながら,ワイン樽,ミズナラ樽,の順に飲む.ストレートでもロックでも加水しても何でもよい.違いがわかりやすい原酒はワイン樽だ.いかにも赤ワインの香りと味で,他とは全然違う.

サントリー公式のソーダ割り(ハイボール)の作り方を教えてもらい,実践する.このために,氷とプレミアムソーダが用意されている.

山崎NVのハイボールを久しぶりに飲んだ.今,自宅にあるのは山崎12年で,ハイボールで飲むつもりはない.

こうして,山崎蒸溜所ものづくりツアーが終了した.ゆっくりと味わっていたので,最後は,まだ飲み終わっていない状態で,「そろそろ時間で,次の準備をするので部屋から出てください」と言われ,残りを飲み干した.

実は,今回の山崎蒸溜所ものづくりツアーには,サントリーでウイスキーの研究をしている方に一緒に参加していただいた.製造工程の見学中に,ツアーガイドによる一般的な解説とは別に,色々と突っ込んだ質問に答えていただいて,とても勉強になった.その方とは,ここでお別れした.

次は,有料試飲だ.長期熟成の山崎,白州,響もある.

私が選んだのは山崎18年.山崎25年もあったが,山崎12年が30mlで1100円,山崎18年が3800円,山崎25年賀25400円で,手を出す勇気がなかった.山崎18年はとても美味しかった.

ウイスキー館には,ズラリと原酒が並べられている.色が全然違うのがよくわかる.

山崎蒸溜所ものづくりツアーに参加したお土産に,山崎のロゴが入ったテイスティンググラス(写真左)をもらった.

ギフトショップでは,蒸溜所限定ウイスキーのミニボトル2本が入ったセット(写真右)を購入した.ボトルの他に,チョコレートとテイスティンググラスが入っている.テイスティンググラスは,ツアーでもらえるのとは異なる種類だ.

ギフトショップでの買い物を終えたところで,後輩が挨拶に来てくれた.今は,山崎蒸溜所でウイスキー造りに携わっているという.そのことを知らなかったので驚いたが,山崎蒸溜所のウイスキー造りについて深い話を聞くことができた.近いうちに,「ウイスキーを飲む会」に誘うことを約束して,別れた.

大満足の山崎蒸溜所ものづくりツアーだった.

© 2026 Manabu KANO.

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次