宿坊に泊まるという発想がない人もいるだろう.私が経験した範囲では,とてもよく手入れされていて,価格も手頃で,贅沢がしたいというのでなければ,宿坊は宿泊施設としてとても良いと思う.お勧めだ.施設によるのかもしれないが,信者でないと泊まれないということもない.
今回は,四万十町にある岩本寺の宿坊に宿泊した.これまでにも,京都の仁和寺の宿坊や東本願寺の宿坊を含めて,いくつかの宿坊に泊まったことがある.高野山の宿坊「不動院」は豪華だった.
今回,四万十川沿いの四万十ヘブンズロードを走ろうと,ロードバイクを抱えて高知に向かった.1日目は夕方に高知龍馬空港から高知駅に移動して,駅近くのホテルに宿泊した.2日目は高知駅から四万十町までサイクリングして,窪川駅に近い岩本寺の宿坊に泊まった.


岩本寺は,四国八十八カ所霊場第三十七番札所であり,当然ながら,宿坊にはお遍路さんが宿泊する.その中に混じって泊めてもらった.四国八十八カ所霊場と言えば,大学生のころ(30年以上前)に,室戸岬にある最御崎寺の宿坊にも泊まったことがある.
岩本寺宿坊は境内にある.自転車を担いで階段を昇り,山門をくぐって中に入る.15時過ぎだ.
雨の中を走って濡れているサイクリングウェア姿の私を見て,「今日は寒かったでしょう.お風呂は16時からになります.もう少しお待ちください」と,受付の方が声をかけてくださった.
「本堂で朝の6時から朝のお勤めがありますから,よろしければご参加ください」
「はい.参加します」
そんな遣り取りをしながら,1階の大浴場と食堂を案内してもらい,2階の客室に向かう.7号室とのことで,空いている入口から中を覗くと,とてもポップな部屋だった.

SHETA’s ROOM
岩本寺公式の説明にはこう書かれている.確かに,自分が予約したのは Room type C [SHETA’s room] だ.1〜2人用の部屋といったところか.もう一部屋(11号室だったかな?)も同様にポップな部屋だった.それ以外の部屋は,宿坊らしい,落ち着いた雰囲気の和室だ.
SHETAって誰?という方のために.
SHETA:湘南出身。“LOVE&PEACE”をテーマに、親しみとユーモア溢れる作品を色鮮やかさと大胆かつ力強い線で表現する。le coq sportifやCOACH、STAR WARSとのコラボレーションやミュージシャンなどのCDジャケット、グッズのイラストを描き起こすほか、ミューラルアートなども手掛ける。
岩本寺は,その本堂内陣の格天井画で有名だ.昭和53年の新築の際に,全国から公募した花鳥風月から人間曼荼羅まで,計575枚の絵が本堂の天井を彩っている.それらの絵の中にはマリリン・モンローもある.


荷物を片付けつつ,4時になるのを待つ.部屋の浴衣を持って浴場に向かう.もちろん一番乗りだ.
浴場は広くて綺麗だ.ボディソープ,シャンプー,コンディショナーも揃っている.申し分ない.
汗と雨を流して,浴槽に入ろうとしたところ,熱い,猛烈に熱い.
4時から9時まではお風呂タイムで,徐々に油温が低下するのを考慮して,最初は目一杯熱くしてあるのではないだろうか.とても肩までつかることはできず,半身浴になった.夕食後に行けば,適温になっているのかもしれない.


客室に用意されていた茶菓子は瓦煎餅.四国八十八カ所霊場第三十七番札所の37だ.
朝6時からの朝のお勤めに参加したところ,既にお遍路装束に身を包んだ方もおられた.1日20〜40kmほどを歩くそうだ.天気が良ければいいが,雨だと,お遍路もサイクリングも辛い.
朝のお勤めのあと,食堂で一緒に朝食をいただいた.朝食はオプションで1,100円(税込).
私は急ぐ必要もないので,8時頃に宿を後にしたが,その頃にはもう皆さん出掛けておられた.
宿泊費は大人1人5,800円(税込)で,朝食と合わせて6,900円だった.
気持ちよく泊まれて,朝のお勤めもあって,とてもお得だと思う.
宿坊が気になる方は是非,一度泊まってみるといいと思う.
© 2026 Manabu KANO.
コメント